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御製(天皇陛下のお歌) ふりつもる み雪にたへて いろか へぬ 松ぞををしき 人もかくあれ 解説:どれほど難題が待ち構えていよう とも、あのみ雪に耐えて色を変えない松のように、私たちの大切な国を もっと良い美しい国にしていく。

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秋はホントに忙しい!ま、そんなこと言ってる暇はない、続けよう。

近衛を「本日は14日で御座る」と恫喝した閣議のあと、東条は富田書記官長の元へ武藤軍務局長を派遣して、近衛への伝言を託している。

「海軍が本当に戦争を欲しないならば陸軍も考えなければならない。然るに海軍は陸軍に向かっては表面はそういうことは口にしないで、ただ『総理に一任』ということを言っている。総理の裁断と言うことだけでは陸軍の部内を抑えることは出来ない。しかし『海軍がこの際は戦争を欲せず』ということを公式に陸軍の方に言ってくるならば、陸軍としては部下を抑えやすい。何とか海軍のほうからそういう風に言ってくるように仕向けてもらえまいか。」(近衛公の手記)

海軍に責任を押し付ける頭の良さ、さすがは「カミソリ」東条である。しかし、海軍側は

「海軍としては戦争を欲しないと言うことはどうも正式には言えない。海軍として言いうることは『首相の裁断に一任』と言う事だけが精一杯である。」

陸軍も海軍もお互いに責任転嫁をし合っていて、「なんともはや」であるが、であれば尚のこと近衛の決断力が発揮されるところなのであった。
こういう近衛の優柔不断ぶりに業を煮やした東条は次には鈴木企画院総裁を送って、次のように言わせた。

「(海軍が非戦なら)9月6日の『御前会議』は根本的に覆る・・・この際は全部辞職して今までのことをご破算にし、もう一度案を練り直すと言うこと以外にないと思う。それには陸海軍を抑えてもう一度この案を練り直すと言う力のあるものは、今臣下には居ない。だからどうしても後継内閣の首班には今度は宮様に出ていただくより道はないと思う。その宮様は先ず東久邇宮殿下が最も適任と思う。それで自分としては総理に辞めてくれとは甚だ言いにくいけれども事ここに至ってはやむを得ず。どうか東久邇宮殿下を後継首相に奏請することにご尽力いただきたい。」

近衛は伝書鳩の如く、翌15日、天皇へ拝喝し「東久邇宮殿下を後継首相に奏請」出来るか訪ねた。そしてこのときの天皇のご返事を次のように記録している。

「東久邇宮は参謀総長としては実に適任であると思っていた。しかし、皇族が政治の局に立つこと、これはよほど考えなければならぬことである。殊に平和時ならよいが戦争にでもなる、という虞(おそれ)のある場合にはなおさら皇室のためから考えてもどうかと思う。」(近衛公の手記)

しかし一方、木戸 幸一内大臣は天皇の仰ったことを次のように記録している。

「陸海軍一致にて和平の方針に決定せるならば、万やむを得ざる事情なれば(皇族内閣も)致し方なし。」(木戸 日記)

古代は別として、本来、権力闘争・権益争いから超然と存在することによって生き延びてきた皇室の歴史を踏まえての認識であり、今、皇族が政局の場に立てば、陸・海軍の争いに皇室自体が巻き込まれたり、ましてや敗戦の場合には皇族の存続そのものが危機となる。

だから、「陸海軍一致にて和平の方針という政局なら東久邇宮を後継首相にしてもよい、しかし戦争の恐れがあるような局面ではよろしくない」と、言っているのだ。それなのに、近衛は続いて

「(東久邇宮の後継首相案に)絶対にご反対であらせられるようにも拝せられなかった。」

と書いており、「和平で一致ならば」という天皇の重要な意図には気づいていない。この近衛の問いに対するお答えとしては近衛自身の記録よりも、木戸 幸一日記のほうが天皇のお気持ちを正しく書き留めているではないか。

「近衛は自分に都合のいいように書いているね。」と言われのもむべなるかな、である。

結局、皇族内閣は天皇のご懸念で実現せず、「東条を後継首相に」との近衛の奏請に対し、「むしろ陸軍を抑えるには陸軍で」という木戸の進言もあって10月18日に東条内閣が誕生した。

「和平で一致ならば」という天皇の重要な意図には気づいていなかったことを証明するような近衛のエピソードがある。

・・・近衛は御所からの帰りの車の中で細川 護貞(護熙 元首相の父)秘書官に「東条に戦争をしないという約束で組閣させる。どうだ名案だろう。」と言った。これに対して細川が「いや、そうは思いません。第一戦争をするのが軍人の商売ですから、それに向かって戦争をするなと言って組閣を命ずるのは本末転倒です。」と答えた。すると近衛は急に不機嫌になり「それはお前の書生論だ。」と凄い大声で怒鳴りつけた・・・(「茶・花・史」 細川 護貞)

軍人が戦争好きということはなく、平和時にはむしろ極力これを避けるための努力をするものだ。従って、細川の「本末転倒」説は必ずしも真理とは言えないが、それにしても、近衛の楽天ぶりはどうだ、むしろ近衛の発想のほうが「書生論」ではあるまいか。

(続く)

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